カテゴリー:音楽
  • 本田美奈子.と「ひめゆり」

    2010/07/14

    音楽

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  • 岡本真夜の「TOMORROW」

    2010/05/29

    音楽

    もう10数年以上も前のことであるが、日帰りで羽田と旭川を往復することが続いた時期があった。そのとき、往復の機内で、はじめて岡本真夜の曲を聴いたのである。機内では ...

  • 音楽
ミニヨンと「君よ知るや南の国」

ふとしたきっかけで、ゲーテのこの詩を想い出していた。

 

それは、中学校時代のある日のことであった。親戚の家にお邪魔したとき、そこの本棚に、学生向けの小説の全集がおいてあった。そこの娘さんは文学少女だったのかもしれない。その本の中のひとつに、「少女ミニヨン」という題名の小説があったのである。薦めに応じて、しばらくその本を借りて読んだことを覚えている。

 

話のあらすじは、よく覚えていなかったが、中に掲載されていた詩のタイトルだけは、記憶の片隅に残っていた。それは、「君よ知るや南の国」であった。もともとの原作の小説のタイトルは「ウィルヘルム・マイスターの修行時代」ということだが、どうも邦訳の「少女ミニヨン」のほうが覚えられやすいらしい。

 

いろいろ調べてみて、昔の記憶を想い出したのだが、主なあらすじは、次のようである。

 

幼い頃に誘拐された少女ミニヨンは、ジプシーの旅回りの一座一行とともに、旅を続けるが、ひどい仕打ちにあわされていた。たまたまその光景を見ていた青年将校のウィルヘルムは、ミニヨンを救う。そして、ミニヨンは自分の身上を語りはじめ、生まれた国で聴いた歌を歌う.......。

 

君や知る、レモン花咲く国、

暗き葉かげに黄金のオレンジの輝き、

なごやかな風、青空より吹き、

銀梅花は静かに、月桂樹は高くそびゆ。

君や知る、かしこ。

かなたへ、かなたへ!

君と共に行かまし、あわれ、わがいとしき人よ。

 

君や知る、かの家。柱ならび屋根高く、

広間は輝き、昼間はほの明るく、

大理石像はわが面を見つむ、

かなしき子よ、いかなるつらきことのあるや、と。

君や知る、かしこ。

かなたへ、かなたへ!

君と共に行かまし、あわれ、わが頼りの君よ。

 

君や知る、かの山と雲のかけ橋を。

騾馬は霧の中に道を求め、

洞穴に住むや古竜の群れ。

岩は崩れ、滝水に洗わる。

君や知る、かしこ。

かなたへ!かなたへ!

わが道は行く。あわれ、父上よ、共に行かまし!

 

実は、最近、この詩のことを調べていくうちに、これが「ミニヨンの歌」として、ミュージカルとなり、上演されていたことを知った。フランスの作曲家アンブロワーズ・トマ Ambroise Thomas (1811-1896) により、歌劇(オペラ)にまでなり、最近では、天地真理(あまちまり)がミュージカルで歌唱している。(実際、YouTubeで見られるものもあった。)

 

この中にでてくる「南の国」は、「故郷」のことであり、故郷を離れて、旅を続けなければならない境遇にある少女ミニヨンのあこがれ(憧憬)を指しているものとおもう。ドイツの詩人ゲーテの作だが、ものすごいインパクトのある詩であった。

 

ジプシー(ロマニーというのが正しいらしいが)もまた、放浪の旅を続けている。そんな時代のできごとに、いまさらながら想いをめぐらせている。

 

(2011-1-4)

 

 

(追記)

 

この「ミニヨンの歌」「君よ知るや南の国」の詩は、もともとはゲーテのドイツ語の詩であったが、歌劇(オペラ)は最初にフランスの作曲家により、フランス語で作られている。また、その後も、オペラやミュージカルがつくられているが、訳詩もいくつかバージョンがあるようである。

 

ゲーテ「ミニヨンの歌」

 

→ こちらのテキストを参照して下さい。(Mignon)

 

 

(References)

 

この記事を書くにあたって、次のサイトを参考にさせていただきました。歌劇(オペラ)や、ミュージカルのあらすじなども紹介されています。

 

http://anotoki.seesaa.net/category/6091736-1.html

 

http://shisly.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_3e3f.html

 

http://blog.goo.ne.jp/emerald_plum/e/cda5e85aa46b763581498a28fb13c510

 

http://homepage3.nifty.com/tbd-bake6022/midi/mignon.html

 

http://ww4.enjoy.ne.jp/~aqua98/opera/mignonR2.htm

 

 

  • 音楽
習志野高校・吹奏楽部の定期演奏会

久しぶりに、吹奏楽の生演奏を聴く機会をいただいた。しかもそれは本格的なものであった。

 

11月の終り、高校時代の先輩、友人に誘われて、習志野文化ホールで行われた習志野高校吹奏楽部の定期演奏会に足を運んだ。なんと部員は192名もいるという。吹奏楽部の部員とその協力者の方々の織りなす音楽の音色とハーモニーは、本当にすばらしいものだった。とても高校生とはおもえないようなプロの立派な演奏会であった。

 

私は、最近では、久しぶりに、このような定期演奏会に出会ったのだった。

 

定期演奏会のパンフレット

 

実は、遠い昔にこのような吹奏楽の演奏を聴いたことがある。それは、私が高校生のとき、たまたま知り合った先輩から誘われて入部した吹奏楽部にいたときのことであった。

 

私が在籍していた当時の高校の吹奏楽部のレベルは決してトップではなかったが、それでも県大会に出場し、入賞するくらいのレベルだったとおもう。みんな、放課後のひとときを各自のパートの楽器の練習にがんばっていた。私も、微力ながら、あるパートでお手伝いをしていた。

 

県大会では、特別奨励賞だったかなにかの賞を高校の吹奏楽部としていただいたような記憶をもっている。

 

そんな体験を頭の片隅に秘めながら、習志野高校の吹奏楽部の演奏を聴いていたのであった。

 

習志野高校の吹奏楽部の演奏会は、さすがに人気が高いだけあって、うなづけるすばらしいものだった。

 

まず、吹奏楽の演奏会は、第一部で充分堪能できた。

 

第一部の全体での演奏、パートごとの演奏、交代準備の時間に披露された各自の得意な小楽器での演奏、など、どれをとってもレベルが高い、聴き応えのあるものだった。

 

そして、第二部では、いままでみたことのないプラックライト寸劇「オズの魔法使い」をはじめ、学芸会や演劇の発表会をおもわせるような演出の数々で、まるで、文化祭のようであり、さらに楽しませてもらった。

 

ジャズもよかった。馴染みのある「A train」や「Swing, swing, swing」など、いっしょになって楽しんだひとときであった。

 

パンフレットより

 

第一部の生演奏はもとより、第二部で見られたような演劇の役者さん、うたごえ、おどり(ダンスというべきか)、そして、観客と一体になって作り上げる音楽劇など。

 

高校生のパワーに驚嘆させられたのであった。どれを取り上げても、すばらしいのひとことに尽きる。

 

指揮者とともに、部員の192名が作り出す舞台には、これからの躍進を想起させるなにかがあった。

 

習志野高校の吹奏楽部定期演奏会は、とても人気の高いものだそうだ。入場チケットもなかなか取れにくいらしいが、今回、これらを手配し、誘って下さった先輩諸氏に、とても感謝している。

 

(2010-12-11)

 

 

◆習志野市立習志野高等学校吹奏楽部ホームページ
(Narashino High School Symphonic Band Homepage)
http://www.nhssb.net/

 

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「マドンナの宝石」間奏曲第二番

陽気な明るいテンポの良い曲だな、とおもっていたが、この曲を探しあてるまでに、ずいぶん時間がかかってしまった。

 

たしか、私が中学二年のときの話である。当時、中学校の授業と授業の間の休み時間や、昼休み、放課後などに、校内放送で音楽を流すしくみがあった。生徒の中からも何人かが放送委員会のメンバーに選出され、生徒会の組織として機能していた。私も一時、そのメンバーだった。

 

よくかけていた曲が「マドンナの宝石」というEPレコードのB面の曲だったのである。その曲は、学校の休憩時間のBGM(バックグラウンドミュージック)としては、最適だったようにおもう。

 

中学校を卒業してからは、そのことはすっかり忘れていた。ただ、「マドンナの宝石」という名前と曲の旋律だけは、自分の頭の片隅に記憶とて残っていたのであった。

 

最近になって、ふとしたきっかけで、この曲のことを想い出したのである。

 

最初に行なったのは、もちろん、インターネットでの検索だった。YouTubeで、「マドンナの宝石」と入力してでてくる曲を聴いてみたのだか、どうも中学校時代に聴いたものと違う、という感じがしていた。

 

たしかに、旋律は重厚な美しいものであるが、実際のところ、少なくとも「明るく陽気な」というものではなかったのである。

 

いろいろ調べていくうちに、「マドンナの宝石」とは、イタリアの作曲家がつくった歌劇(Opera)であって、その間奏曲が、一般に「マドンナの宝石」として知られているのだ、ということを知ったのである。

 

どうも間奏曲はふたつあるらしい。特に、よく知られているのが間奏曲第一番とよばれるもので、私がインターネットのYouTubeで聴いたのがそうらしい、とまでわかった。

 

だが、間奏曲第二番とは、どこにあるのだろうか。そして、それはどんな旋律なのだろうか。

 

と、ふたたび、インターネットで探して、ようやく、あるサイトに昔のSPレコードから採録した曲がモノラルの音源で掲載されているのを見つけた。

 

http://www.geocities.jp/matsumo22000/sound101/page99a4.htm

 

それをもとに、英文で再び検索した結果、また、YouTubeにも、英文タイトルで投稿されているものを見つけることができた。

 

◆ WOLF-FERRARI: Intermezzo No.2
https://www.youtube.com/watch?v=yw-8I3dE4hQ&feature=related

 

ようやく見つけた間奏曲第二番、それは、確かに、いままでもう一度聴きたいとおもっていた、あの中学校時代の名曲であった。

 

(2010-11-7)

 

(注)

「マドンナの宝石」(聖母の宝石, I gioielli della Madonna、Der Schmuck der Madonna、The Jewels of The Madonna)はエルマンノ・ヴォルフ=フェラーリ(Ermanno Wolf-Ferrari (1876-1948))が作曲した全3幕からなる歌劇(オペラ)であると、wikipediaにある。

 

1900年ごろのスペイン統治下のナポリでの、悲恋の物語だそうだ。ヴォルフ=フェラーリの多くのオペラ作品の中で、今日のでその名を残しているものは、悲劇「マドンナの宝石 I gioielli della Madonna」(1911年)からの間奏曲だといわれる。

 

いまでは、オペラ全曲が演奏されることはあまりないらしく、二つの間奏曲、特に第2幕前の間奏曲第一番が親しまれ、コンサートでも単独で演奏されているという。

 

この間奏曲第一番は、他のオペラの間奏曲なとどともに、CD化されているようであるが、一方、間奏曲第二番を収録したCDは、いまではもうないらしい。

 

米国のAmazonのサイトで、mp3のダウンロードサービスを見つけたが、残念ながら、米国内でないとサービスは不可とのことであった。

 

私の知る限り、ここに記した情報が唯一のものである。

 

◆ WOLF-FERRARI: Intermezzo No.2 from The Jewels of The Madonna

 

 

  • 音楽
本田美奈子.と「ひめゆり」

いまからおよそ25年ほど前のことである。当時、私が勤務していたT社では、夏祭りのイベントが行われていた。そのステージに、ひとりの新人女性歌手がいた。彼女の名は本田美奈子(ほんだみなこ)、直接、本人を間近で見たのは、このときが最初で、そして最後であった。デビューしたばかりの彼女が、アップテンポの曲にのって、ステージで歌唱していたのを、いまだにおぼろげながら覚えている。ただ、当時は、実は、あまり興味がなかったのだった。テンポの早い曲、激しいリズムの曲を歌っているという感じがあって、なんとなく、そのままになってしまったのであった。

 

そして、20年の時が流れた。私の耳には、再び彼女の名が入ってきた。しかも、まったく別の形で。2005年11月、ひとりのアーティストが、急性骨髄性白血病で38歳で他界したというニュースが入ってきたのであった。本田美奈子.である。

 

訃報とともに、テレビで特集番組が組まれた。そして、私は、その時、彼女が歌っている「アメイジング・グレイス」という讃美歌を聴いたのである。それはそれは、すばらしい歌声であった。なんだか、心が洗われるような感覚で、聴き入ったのであった。およそ、20年以上前の彼女の姿からは、想像もできないほど歌唱力はすばらしいものであった。また、このことがきっかけとなって、再び、彼女の歌声を聴くようになったのだ。

 

調べてみると、本田美奈子.は、アイドル時代、グループを組んでいた時代、ミュージカルへの挑戦の時代、クラシック音楽との出会いなど、さまざまな経験をし、その時代ごとに、特徴のある歌を残していることがわかってきた。

 

私の好きなジャンルは、その中のミュージカルやクラシックといったところであろうか。特に、「つばさ」や「Time to Say Good Bye」は、声量が必要とされる難しい歌曲であるが、あの小さな体から発せられる歌声は、心を惹きつけられるものであった。

 

そのほかにも、「時」や「見上げてごらん夜の星を」や「Golden Days」など、好きな曲はたくさんある。CDは何枚か、買い求めた。あらためて、いま振り返って見ると、20数年前の歌ごえも、ミュージカルやクラシックに打ち込んだ時代の歌ごえも、どれもすばらしい。低音から高音まで4オクターブの音域の発声ができるというのも知った。

 

もう少し早く、これらのことを知っていたなら、彼女のコンサートを聴きに出かけていたかもしれない。残念である。

 

彼女のコンサートのDVDがあるかどうか、探してみた。デビューした当時から1, 2年のものはあるのだが、ミュージカルに挑戦した時代のものや、それ以降の時代のコンサートなどの映像は、DVDでは残っていないようで、唯一、インターネットの「YouTube」で見るしかないようだ。

 

その中のひとつに「ひめゆり」を歌っているシーンがあった。Blue Spring Club というファンクラブの集いのときのもののようであって、ファンのリクエストに応えるかたちで、彼女が伴奏なしでうたっていた。

 

最近、このミュージカル「ひめゆり」のひとコマをまとめた動画が、ミュージカル座のホームページに掲載されていることがわかった。「生きている」という曲を本田美奈子.が歌唱している。


http://www.musical-za.co.jp/COMPANY/movies/15honda.htm

 

彼女が旅立った後に、残っていた彼女の歌ごえに魅せられ、私はファンのひとりになったようだ。ミュージカルに打ち込んだ時代のひとコマや、クラシックを歌っているコンサートなどの映像があったら、これらをDVDにして販売してほしいと望むのは、私ひとりだけだろうか。いや、もっと多くのファンの方々がおられるに違いない、そう信じている。

 

(2010-7-14)

 

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岡本真夜の「TOMORROW」

もう10数年以上も前のことであるが、日帰りで羽田と旭川を往復することが続いた時期があった。そのとき、往復の機内で、はじめて岡本真夜の曲を聴いたのである。

 

機内ではイヤホーンで聞くJPOPの歌番組が流れていたが、歌番組も終わりに近づき、もうそろそろ着陸態勢に入るかくらいのときに、その曲ははじまった。「TOMORROW」である。

 

当時は、その歌手(アーティスト)の名前も全く知らなかった。TVに出演されていたことさえも知らなかった。(いいわけに過ぎないが、ふだんテレビはあまり見ない。)

 

だが、JASの機内で聴いたその曲は、すごく印象的であった。特に、夜遅く旭川から羽田に向かうときは、仕事で疲れた心と体を、彼女の「うた」が元気づけてくれているような気持ちになったものである。なにより、テンポが良く、歌詞も心に残るものだった。

 

岡本真夜の「TOMORROW」、ただそれだけが頭の片隅に残ったまま、10数年が過ぎた。

 

 

ふたたび彼女の名前を耳にしたのは、今回の上海万博の公式テーマソング騒動が話題になった後のことであった。

 

「そのままの君でいて」の曲がのっている「Smile」というCDアルバムを買い求め、さっそく聴いてみた。

 

この曲も明るくテンポが良い。元気づけてくれる歌であった。あの機内でしばしば聴いた「TOMORROW」と同じような印象を受けたのである。

 

以前に聴いた「TOMMOROW」と今回の「そのままの君でいて」、どちらもいつ聴いてもいいものだなと改めておもったのであった。

 

ところで、岡本真夜デビュー15周年とのことで、5月末に、彼女のブログが開設されたようだ。たまにはチェックしてみてもいいかもしれない。

 

 

■ 岡本真夜さんのブログ

 

(PC)

http://ameblo.jp/mayo-okamoto/

 

(携帯)

https://www.ameba.jp/mobile.do?unm=mayo-okamoto

 

(2010-5-29)

 

岡本真夜 - そのままの君でいて

 

岡本真夜 TOMORROW

https://www.youtube.com/watch?v=SrWUB-eT5Cc