• 特集
光速を超える速度を持つ素粒子(ニュートリノ)

読売新聞の2011年9月24日付けに、光速を超える速度を持つ素粒子(ニュートリノ)の記事がでていました。

 

友人から、質問を受けたので、ひとまず、

 

「アインシュタインの特殊相対性理論は、昔、学んだ記憶があるのですが、かなり忘れてしまいました。」

 

「たしか、その中のひとつに、ローレンツ収縮というのがあって、運動している物体の長さは光速に近づけば近づくほど短くなるというものです。いま思い出せませんが、たしか数式がありました。光速を超えると、長さは負になる、というあり得ない現象が起こります。」

 

「それから、たしか等時性の原理だったか忘れてしまいましたが、光の速度に近づけば近づくほど、時計が遅れる、遅くなるというものです。これもたしか数式があったような記憶があるのですが、光速を超えると、時計が逆に動く、すなわち、タイムマシンで過去にさかのぼれる、ということができてしまう、というものです。」

 

「本を見て書いているわけではないので、多少不正確だとは思いますが、ご容赦を。後程、自宅に戻ったらもう一度調べてみますね。」

 

というわけで、それなりに調べてみました。

 

アインシュタイン(Einstein)の特殊相対性理論は、慣性系での運動を記述しています。

 

慣性系とは、大雑把にいうと、物体に働く力は電磁場による力のみ、慣性の法則が成立する、ユークリッド幾何が成立する、の3つを満たす性質を持った座標系です。

 

時間についての有名な式は、

 

   t’=t/sqrt(1-(v/c)^2)

 

です。[ sqrt はいわゆる平方根をあらわします。^はべき乗をあらわします。]

 

速度vで動いている物体に流れる時間t’は、静止している系の物体に流れる時間tより大きくなります。いわゆる、動いているものの時間はゆっくり流れるということをあらわしています。

 

この式で、仮にv=cとしたら、どうでしょう。t’は∞となってしまいます。また、さらにv>cのときは、sqrtの中がマイナスになりますので、虚数の時間ということになります。

 

また、棒の長さの議論が有名です。慣性系1と慣性系2で、棒の長さを測定するとしましょう。

 

慣性系1に対して慣性系2は速度vで運動している(動いている)とします。慣性系1で測定した棒の長さLは、慣性系2で見ると

 

   L’=L*sqrt(1-(v/c)^2)

 

となります。大雑把にいうと、運動している物体の長さは縮む、ということです。

 

これは、ローレンツ(Lorentz)収縮と呼ばれています。

 

ここで、やはりv=cとすると、棒の長さL’はゼロになってしまいます。また、v>cとすると、長さは虚数となってしまいます。

 

ところで、特殊相対性理論では、座標軸として、四次元を扱います。x,y,z,ictです。

x,y,zは普通の三次元座標、四番目のictは時間tに光速cと虚数単位iを掛け算したものです。τ(タウ)と表記することもあります。x,y,z,τです。ここでは、空間座標と時間座標を等価に扱っています。

 

このへんの説明は、かなり難解で、私には簡単には説明できませんが、教科書には、光速cよりも大きな速度で伝わることはできないという前提で、過去、未来の事象の因果関係が説明されています。

 

上記の説明で、光速cを超えたとき、虚数の時間、虚数の長さがでてきていますが、空間と時間を等価に扱っているため、例えば、複素数で、実数軸から虚数軸に座標が交替するというようなことがあるのかもしれません。

 

一般相対性理論というものは、かなり難解ですが、特殊相対性理論を拡張してつくられました。そのため、特殊相対性理論を含んでいます。

 

もし、興味がおありでしたら、まずは、次の書籍が良いとおもいます。数式を使用していますが、わかりやすく書かれています。

 

■小笠英志「相対性理論の式を導いてみよう、そして、人に話そう」(ベレ出版、2011) ISBN978-4-86064-267-9

相対性理論の式を導いてみよう、そして、人に話そう

さらに、入門書としては、有名な、

 

■ランダウ、シフシッツ「場の古典論」(東京図書、1975) ISBN 3342-3101-5160
[原書は、L.D.Landau, E.M.Lifshits “Teoriya Polya” (Moscow、1962) ]

の第1章に、特殊相対性理論が詳しく説明されています。

 

場の古典論―電気力学,特殊および一般相対性理論 (ランダウ=リフシッツ理論物理学教程)

また、SFの世界のようですが、時間反転機(タイムマシン)については、私の手元に、次の書籍がありました。

 

■清家新一「超相対性理論」(重力研究所、六訂増補版、1982) ISBN 915517-1
(だいぶ前に入手したものなので、もしかすると絶版になっているかもしれません。)

同一著者の簡易版は、

 

超相対性理論入門 (1972年)

この中に、メビウス発電機や逆重力機関、タキオン(超光速粒子)などとともに数式を交えて解説されています。といっても、私にとっては理解不能な部分が多くありましたが。

光速を超える速度を持つ素粒子(ニュートリノ)の今後の展開に注目です。

 

(2011-9-24)