ノートPCをデュアルブートし、無線LANで使用する方法

今回は、ノートPCまたはネットブックと呼ばれる小型のPCをデュアルブートして、しかも無線LANで使うときの方法と注意点を、私の体験をもとに書いてみようとおもう。

 

いま私が使用しているPCは、ノートPCをメインに、ネットブックPCをサブとして使用している。

 

これまで使用してきたノートPCは、IBMのThinkPad X20という、もともとwindows98がOSとして搭載されていたもので、そのメモリ(RAM)を64+64=128MBから64+256=320MBに増設して、これまで使用してきた。だが、メモリが320MBでは、動きが遅く、特にWindowsは起動時に時間がかかり、たまにおかしな音も発するようになってきたので、交換を考えていた。

 

たまたま、中古のPCで、IBMのThinkPad R52というものが安価(14,700円)で売り出されていたので、入手した。これを少し改造して、メインのPCとして使おうと考えたのである。

 

0. はじめに

 

改造するときにPCに必要な条件として、(1) メモリが最低でも1GB以上あること、(2) OSのデュアルブートができること、(3) 無線LANが使えることを念頭においた。

 

ThinkPad R52はメモリが1GB搭載されていたので、まずメモリに関しては問題なさそうだった。また、IBMの製品なので、デュアルブートは、過去に経験済みである。

 

あとは、無線LANが使用できるかということだが、ThinkPad R52は、もともと無線LANは付属していないタイプである。だから、外付けで無線LANのカードなり、アダプタを付加してあげることが必要だった。

 

また、無線LANが使えるかどうかについてはOSとして、どれを選択するかが問題であった。

 

以下は、私が行なった手順を記したものである。

 

1. OSの選択とインストール

 

さて、まず、OSを選択しなければならない。私はここで、ひとつは、Windows XP SP3を選択した。Windowsでなければ動かないソフトウェアがあるからである。

 

もうひとつは、LinuxのディストリビューションのひとつであるFedora14を選択した。

 

理由はいくつかあるが、Fedoraの9、11は、これまでネットブックのCartina UMで使った経験があること、その最新バーションのFedora14ならば、それほど大きな問題はないだろうと、おもったので選択したのであった。

 

ハードディスクは、新しいものを用意した。といっても、中古品であるが。

あらかじめ、パーティションを設定し、いくつかの領域に区切っておく。例えば、Windowsシステム領域、Linux領域、データ領域などである。ここで使用したソフトはAcronis PartitionExpert Personalで、CD-ROMからPCを機動させて操作を行なった。

 

次に、Windows のインストールを行なう。できる限り、ハードディスクの先頭領域にインストールするのがいいとおもわれる。Windowsのインストールについては、特に問題はないとおもう。

 

その次に、Fedora14のインストールを行なう。

 

私が行なった方法は、イメージファイルをあらかじめダウンロードし、それをCD-Rに焼き付けを行なって、準備しておいた。そのCD-Rを用いて、ハードディスクのLinux領域にインストールを行なったのである。

 

ここで、注意することは、GRUBのインストールを行なう場所である。

 

Fedoraの場合、GRUBをインストールするのだが、この設定はデフォルトでは、ハードディスクのブートセクターとなるとおもうが、私が行なったときは、ここではなく、あらかし゜め分割して作成したLinux領域の先頭を指定した。(これが良いかどうかはわからないが、いずれ、MBMでOSの切り替えを行なうのでどちらでも良いかもしれない。)

 

さて、ここまで行なうと、一応、WindowsとLinuxの両方がインストールされた状態になる。ここで、Linuxのシステムが、先にインストールしたWindowsを認識していてくれれば問題ないのだが、Fedora14の場合は、それができていなかった。

 

そこで、次に、ブートマネジャーをインストールすることになる。

 

2. マルチブートマネジャー(Multi Boot Manager、MBM)のインストール

 

MBMは、あらかじめインターネットのサイト http://elm-chan.org/fsw/mbm/mbm.html からダウンロードし、フロッピーディスクにインストールしておく。

 

そして、PCをフロッピーディスクから起動し、MBMをインストールするのである。(なお、サイトを見ると、最近、CD-Rのイメージファイルも提供されているようである。)

 

一回、これをインストールすると、ハードディスクのブートセクターを上書きしない限り、何回Linux側のOSのインストールを繰り返しても、MBM自体は残っている。ただし、Windowsを再インストールすると上書きされ、消えてしまうので注意が必要である。(消えてしまった場合には、MBMを再インストールすれば良い。)

 

ここまで行なうことによって、まず、起動時にOSの選択ができるようになる。Windows (XP)あるいはLinux (Fedora14)が選べるのである。

 

3. 無線LANの設定とインターネットへの接続

 

その次に、必要なことは、PCをインターネットに接続し、必要なアップデートを行なうことである。

 

ただ、その前に、無線LANでの接続を考えているので、まずは、無線LANを設定する必要がある。

 

今回入手したIBMのThinkPad R52には、無線LANがないので、最初にPCMCIAの無線LANカードを試してみた。Windowsの場合は、ドライバをインストールして設定すれば、それほど問題ではないと思われた。だが、入手したR52のPCMCIAカードのインターフェースが非常に不安定で、信頼のおけないことが判明した。カードを別のメーカーのものに変更しても不安定さはかわらなかったのだ。要するに、PCMCIAカードは使えないということである。

 

そこで、USBタイプのアダプタを入手し、これでまずWindows上で設定を行なった。

 

私が使用したアダプタは、プラネックスコミュニケーションズ株式会社(PCI)製のGW-USNano2-Mという無線LAN USBアダプタである。

 

 

Windows上では、比較的簡単に設定を行なうことができた。製品に添付されているドライバソフトを使う。この製品はUSBタイプだが、安定して使用することができたのだ。自宅では、無線LANのアクセスポイントをルーターの次に配置している。ここの設定条件をPC側のアダプタに設定することによって、インターネットに接続できるようになった。これで、Windowsや他のソフトのアップデートができるようになった。

 

さて、次は、Linux (Fedora14)側の設定をしなければならない。このためには、GW-USNano2-Mが、どのようなICのチップを用いているかを調べ、それに合ったLinuxのドライバソフトをインストールする必要がある。

 

このサイト(https://www37.atwiki.jp/linux_kai/pages/52.html?guid=on) にある゛情報によれば、使用されているRF-ICチップは、RealtekのRTL8192CUとのこと。

 

これをインターネットで検索したところ、次のところにあることがわかった。

 

RTL8188CUS_v2.0.1212.zip(このファイルの中に同梱されている)
http://download.wireless-driver.com/driver/Realtek/RTL8188CUS/RTL8188CUS_v2.0.1212.zip

 

または、

 

RTL8192CU_linux_v2.0.1324.zip
http://218.210.127.131/downloads/RedirectFTPSite.aspx?SiteID=1&DownTypeID=3&DownID=918&PFid=48&Conn=4

 

これをダウンロードし、展開してインストールを行ない、いったん、PCを再起動させる。すると、無線LANが使えるようになった。

 

ここまでくれば、あとは、必要なアップデートを行なうのみである。

 

4. 最後に

 

以上は、私がIBMのThinkPad R52を入手し、無線LANアダプタとしてPlanexのGW-USNano2-Mを用いて、Windows(XP)およびLinux(Fedora14)の両方で、インターネットに接続するまでの経過を記したものである。

 

PCのデュアルブートは、無線LANを使う場合、設定に少し手間がかかるが、この方法が少しでも参考になれば幸いである。

 

(ご注意: ここに述べた方法は、筆者が行なった経験を参考として記述したものです。当然ですが、実施はあくまでも自己責任で行なって下さい。この方法を実施した結果については、筆者・サイト管理者はいかなる責任・義務も負わないものとします。)

 

(2011-3-21)