カテゴリー:体験
  • 3月14日の友人へのレター

    2011/04/30

    体験

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    2010/02/08

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  • スウィングガールズと長井線

    2009/10/17

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  • 体験
3月14日の友人へのレター

あれから、50日を迎えます。3月11日の震災は、多方面に多大な影響を与えました。そして、いまなお、その余震が続いています。また、福島原発の状況は一進一退ですが、まだまだ予断を許さない状況だとおもわれます。

 

放射能の知識について書かれた記事は、いまでこそ、たくさん出ているようになりましたが、私は、次の2点をご紹介したいとおもいます。

 

ひとつは、放射線についての基礎知識と安全に関することについて、応用物理学会(私も所属していますが)の放射線分科会が書かれた、一般の方々を対象としたわかりやすい記事があります。放射線には、アルファ線、ベータ線、ガンマ線などがあり、このガンマ線に特に注意すべきこと、また、一般に放射能というのは、ある物質(例えば沃素など)がこの放射線を出す「ちから」を示すものであることなど、わかりやすく書かれていますので、ぜひご参照下さい。


http://annex.jsap.or.jp/radiation/20110317.html

 

もうひとつは、「放射能から身を守る方法」という無料の「e-book」です。これも、皆様に、ぜひお読みいただきたいとおもっています。


http://mailzou.com/get.php?R=34194&M=17898

 

この「e-book」は、私もダウンロードして読み終えました。この中では、最悪の事態を想定してかかれているためか、多少sensationalな記述もありますが、有用なことも多くのっており、知っておいてそれに越したことはないとおもっています。

 

作成されたのは、中松裕太さんという方です。中松さんは、次のようにいっておられます。

 

「私自身が、この「【MDR】放射能から身を守る方法」を執筆しようと思ったきっかけは、自分自身が、放射能の恐怖に怯え、そこから逃れるための対策などを勉強・研究しはじめたのがきっかけでした。そして、そうこうするうちに、この情報を求めている人は、私以外にも、多くいるのではないか?これを体系的に、情報としてまとめて発信すれば、多くの人に役立つのではないか?そう考えるに至りました。」

 

専門家ではない一般の人の目線からの記事ですので、また別の意味で有用だとおもわれます。現在、そして近い将来に想定される状況に対処するためにも、ぜひお読みいただきたいとおもっています。

 

きょうは、最後に、震災発生後3日めの3月14日に、ひとりの友人にあてた私のレターをご紹介します。

 

「○○様、ごぶさたしています。今回の地震は、おもった以上に大きく、テレビなどで被害が報道されるにつれ、その影響の大きさにショックを受けています。

 

私は、11日の地震発生当時、職場である○○の18階だてビルの13階にいました。高層ビルの事務所ですので、地震があると多少は揺れるのですが、今回のようなのは、はじめてでした。まるで船に乗っているような横揺れでした。すぐに家族と連絡をとろうとしましたが、近くにもかかわらず電話がまったくつながらず、携帯メールでようやく連絡がとれ、互いの無事を確認することができました。11日は、その後、電車がまったく動かなかったので、私は会社の仲間と会社の事務所で夜を明かして、12日の午前に動き始めた電車でようやく帰宅しました。幸いなことに、自宅は大丈夫でした。

 

私の友人のひとりで福島に住んでいる人は、13日夜まで連絡がとれませんでした。ようやく昨夜、メールで無事を知ったしだいです。停電がようやく復旧したものの、いまだ断水が続いているとのことです。

 

13日は、近くの電器量販店へ、電池を買いに行ってきました。単2、単3、単4はどうにか入手できたのですが、単1電池は売り切れで、工場が止まっているとのことで、入荷はいつになるか分からないとの店員の返答でした。

 

14日は、東京電力が計画停電を実施するとのことで、その一環としてでしょうが、JRの東京圏内のほとんどすべての路線が運休になり、いったん朝、会社へ向かったものの自宅に引き返し、待機することとなりました。

 

立ち寄ったコンビニでは、おにぎり・弁当・パンなどはまったくなく、お店も、計画停電の影響でお休みのところがほとんどでした。

 

しばらくは大変な状況が続くとおもいますが、○○さんもお気をつけて、お過ごし下さい。」

 

(2011-3-14)

 

あれから、50日を迎えます。状況は少しずつ改善されているものの、まだまだ長い道のりです。いまは、早い時期の復興を願いながら、自分たちにできることを、少しずつ、精一杯、やるだけです。

 

もう4月も終わり、桜も葉桜になってしまいました。

 

(2011-4-30)

 

  • 体験
C言語の習い始めと「最小自乗法」

これも、いまでは表計算ソフトのExcelやCalcなどで簡単にできるとおもうのだが、およそ25年ほど前はまだそれほど便利ではなかった。ちょっとした実験データを整理するのに使った「最小自乗法」のコードは、自分でコードを書いて使っていた。

 

その当時は、パソコンも8ビットから16ビットへの移行の時期で、プログラミング言語はもちろんBASICがメインであった。

 

当時、作成したコードの一部をご紹介しよう。

 

測定するデータとして、x と y の組を何個か(n組としよう)を準備し、いわゆる y=ax+b の係数 a と b を求めるものであり、直線への回帰の度合いを r^2 という指標で表すものである。

 

これをBASIC言語で記述すると、次のような感じになる。

 

=====(ここから)=====

1 ' file"LSQL"

10 ' least square method (linear)

20 'SCREEN 0:CLS:CLEAR:KEY OFF

30 DIM X(30),Y(30),Z(30),W(30),V(30)

40 PRINT"formula Y = A X + B":PRINT

45 PRINT

50 INPUT"quantity of set ( N ) =";N

60 PRINT:PRINT

70 FOR I=1 TO N

75 PRINT I;

80 INPUT" ( X , Y ) =";X(I),Y(I)

85 IF X(I)=-1 THEN I=I-1:GOTO 75

90 NEXT I

100 FOR I=1 TO N

110 Z(I)=X(I)*Y(I):W(I)=(X(I))^2:V(I)=(Y(I))^2

120 NEXT I

130 Z1=0:X1=0:Y1=0:W1=0:V1=0

140 FOR I=1 TO N

150 Z1=Z1+Z(I):X1=X1+X(I):Y1=Y1+Y(I):W1=W1+W(I):V1=V1+V(I)

160 NEXT I

170 A=(Z1-(X1*Y1)/N)/(W1-(X1)^2/N)

180 B=Y1/N-A*(X1/N)

190 R1=(Z1-(X1*Y1)/N)^2

200 R2=W1-(X1)^2/N

210 R3=V1-(Y1)^2/N

220 R=R1/(R2*R3)

225 PRINT:PRINT

230 PRINT" A =";A

240 PRINT

250 PRINT" B =";B

260 PRINT

270 PRINT" R^2 =";R

280 PRINT

290 END

=====(ここまで)=====

 

BASICはインタプリターとよばれるものであって、一行ずつ解釈しながら実行する。そのため、スピードは遅い。これに対して、コンパイラとよばれるものは、一度機械語に変換してから実行するので速い。

 

C言語のコンパイラが16ビットパソコンで使えるときき、なんとかしてBASICで書いたコードをCに変換できないかを考えたものであった。

 

C言語のコンパイラは、当時、LSI-C86試食版ver3.30 というものが、たしか、雑誌の付録で無償提供されていたのであった。

 

そんなとき、街中の本屋さんで偶然みつけたのが、科学技術関係のフリーソフトを納めたCD-ROMであり、その中におもしろいものがいくつかあった。

 

そのひとつが、「B to C」という変換ソフトで、BASIC言語のコードをC言語に強制的に変換するものであった。変換後の多少の手直しは必要だが、そのときは、とても便利であった。たとえば、上述の「最小自乗法」のコードは、次のようになる。

 

=====(ここから)=====

/**** Least Square Method by Osamu Furukawa ****/

#include"stdio.h"

#include"math.h"

#include"string.h"

#include"stdlib.h"

unsigned char _s0[256],_s1[256],_s2[256];

float a;

float b;

int i;

int n;

float r;

float r1;

float r2;

float r3;

float v[31];

float v1;

float w[31];

float w1;

float x[31];

float x1;

float y[31];

float y1;

float z[31];

float z1;

main()

{
extern float a;

extern float b;

extern int i;

extern int n;

extern float r;

extern float r1;

extern float r2;

extern float r3;

extern float v[31];

extern float v1;

extern float w[31];

extern float w1;

extern float x[31];

extern float x1;

extern float y[31];

extern float y1;

extern float z[31];

extern float z1;

putchar('\n');

printf("Least Square Method \n");

putchar('\n');

printf(" formula Y = A X + B\n");

putchar('\n');

printf(" quantity of set ( N ) ="" ?");

scanf(" %d",&n);

putchar('\n');

for(i=1;i<=n;i+=1){

l_75: ;

printf(" %d",i);

printf(" ( X , Y ) ="" ?");

scanf(" %f, %f",&x[i],&y[i]);

if(x[i]==-1){

i=i-1;

goto l_75;}

}

for(i=1;i<=n;i+=1){

z[i]=x[i]*y[i];

w[i]=pow((x[i]),2);

v[i]=pow((y[i]),2);

}

z1=0;

x1=0;

y1=0;

w1=0;

v1=0;

for(i=1;i<=n;i+=1){

z1=z1+z[i];

x1=x1+x[i];

y1=y1+y[i];

w1=w1+w[i];

v1=v1+v[i];

}

a=(z1-(x1*y1)/n)/(w1-pow((x1),2)/n);

b=y1/n-a*(x1/n);

r1=pow((z1-(x1*y1)/n),2);

r2=w1-pow((x1),2)/n;

r3=v1-pow((y1),2)/n;

r=r1/(r2*r3);

putchar('\n');

printf(" A = %g\n",a);

putchar('\n');

printf(" B = %g\n",b);

putchar('\n');

printf(" R^2 = %g\n",r);

putchar('\n');

}
=====(ここまで)=====

 

と、こんな感じになるのであった。もちろん、むだの部分も多いとおもうが、計算処理は速くできたのであった。

 

このようなきっかけが、私のC言語の習い始めであった。ただ、その後、表計算ソフトが発達し、DOSベースでのLotus1-2-3や、Windows3.1 ベースでExcelなどが簡単に使えるようになってからは、この「C言語」との関係はだんだん薄くなってしまった。

 

だが、これも私にとっては貴重な良い経験であった。

 

(おそらく、読者の皆さんのなかには、この記事をごらんになって、自分だったらもっとスマートにコーディングできるのにと思われる方もおられるとおもう。なにしろ、あくまでも、当時の私の経験したことなので、ご寛容を願いたい。)

 

(2010-9-12)

 

 

(追記)

 

もっとスマートにコーディングするとしたら、こんな感じになるでしょうか。

 

(2010-9-12)

 

  • 体験
時間旅行

このところ寒い毎日が続き、先日は関東南部にも雪が積もった。風が強く、冷たいが、その分、晴れた夜は星がよく見えるようになった。冬の夜といえば、オリオン座の三つ星と、少し東にあり全天でもっとも明るい恒星であるシリウスが記憶に残っている。

 

子どものころ、冬休みだったとき、雪国で冬空を観察したことを想い出したのだ。たしか、あの頃は木星がオリオンの三つ星の近くにいて、シリウスよりも明るかったな、などと思ったものだった。

 

天文学を正式に学んだことはないのだが、夜空の星をみていられるのは楽しいことであった。中学生の頃、球面天文学の解説書らしきものを、学校の図書館で借りて読んだ記憶がある。難しい三角関数の数式などはさっぱり理解できなかったが、歳差と章動、光行差など「新しい」知識が興味を誘った。恒星まで光でさえ何年もかかるということも知った。

 

本を読んだからといって、どうにもなるものではないが、それでも「子ども心」におもしろさを感じていた。

 

本田美奈子.のアルバムの中に、「時」というクラシックの曲がある。この曲は、過去から未来へと連続した『時」の流れの偉大さを歌い上げている。コロラド渓谷を飛行して撮影した画像(ユーチューブに在った)とあわせてこの曲を聴くと、「いま」は、長い歴史の中のほんの一部分にしか過ぎないことを、あらためて感じてしまう。

 

「時」の偉大さは、天文学にも通じるところがあるのではないだろうか。「いま」見えている夜空の星の光は、何年、何十年も、何百年も前に発せられた星の光であり、「いま」の星の光は、何年も経なければ見えないのだ。こんなことを思いながら、あらためて本田美奈子.の「時」を聴いていた。

 

宇宙旅行は、実際にはまだまだ可能とはいえない。しかし、コンピュータである程度のシミュレーションを行うことはできる。手近なところでは、Linuxのフリーソフトの中に、Celestiaというスペース・シミュレータがある。このソフトをPCにインストールして、「デモ」を動作させてみたことがある。

 

まず、地球から出発して、太陽系の惑星をめぐり、そこから、さらに銀河系の外まで飛行して、星や星雲などを観察し、再び地球に戻ってくる、という「旅行」を体験することができる。本来ならば、気の遠くなる時間、何千年もかかる旅行を、数分のデモンストレーションで行うことができるのだ。「時」の偉大さは、こんなところにも感じられる。

 

宇宙の歴史に比べてもっと短いが、人類の歴史もまた「時」の流れの中にあった。ひとりの人生を考えてみてもそうである。

 

久保田早紀の「異邦人」や、中島みゆきの「時代」という作品をじっくり聴いていると、子どもだった頃を想い出すが、同時にやはり「いま」を考えてしまう。時間旅行は、「時」の流れであり、「いま」という一瞬、一瞬の積み重ねが悠久の歴史をつくるのだということを、あらためておもい知らされている。

 

とりとめのない話になってしまった.......。

 

(2010-2-7)

 

 

  • 体験
展示会で見つけた「バリスタ」

10月の初めに、CEATEC JAPANという展示会があり、ことしは土曜日が入場無料ということもあって出かけてみた。仕事半分、個人的な興味半分ではあるが、会場が広かったこともあり、ほぼ四・五時間をかけてあちこちを見ていた。

 

通信分野の展示エリアでは、携帯電話のキャリアの展示とか、モバイルコンピュータの展示とかがあって興味深いものであった。PCのデザインもさまざま、かわいいアニメのキャラクタをデザインしたPCなども展示されていた。新しいOSも、ソフトウェアの展示も、また、目を引いた。

 

電子黒板のデモ  キティちゃんがPCに

 

大型テレビの展示エリアは、見学の人々が多く、あちこちに待ち行列が目についた。また、電子部品の展示エリアも、私には興味深いものがあった。

 

ある電子部品の会社のブースで懐かしいものを見つけた。昔ながらのリード付き電子部品のひとつで「バリスタ」とよばれているものである。

 

二十年ほど前、ニューセラミックスの時代がやってきたと世間が騒いでいた頃があったが、私は、その頃に仕事で携わったことがある「バリスタ」を思い出していた。

 

バリスタは電圧非直線抵抗素子ともよばれている。

 

オームの法則は、抵抗素子に電圧を印加すると電流が流れるが、このとき、電流は電圧に比例し、その比例係数が抵抗値である、というようにいうことができるが、ふつうの抵抗素子では、抵抗値は電圧の大小によりほとんど変化しない。

 

しかし、この抵抗値が電圧により大きく変化する性質をもっている素子が非直線抵抗素子、「バリスタ」なのである。

 

身近なところでは、テレビの内部の電源回路のそばにおかれている。直径5ミリから10ミリメートルくらいの大きさの円板型の部品である。

 

ふつうの100Vの電圧では、ほとんど電流を流さない(抵抗値が高い)が、雷などの外来ノイズで異常に高い電圧になったときには、電流を流して(抵抗値をうんと低くして)中の回路を守る(保護する)働きをするのである。半導体の仲間である。

 

また、大きなところで言えば、変電所などに避雷器が設置されているが、この避雷器の中にも使われているのである。

 

バリスタにもいろいろな材料があるが、私が昔、携わったのは、酸化亜鉛を主成分とする電子セラミックスであった。

 

酸化亜鉛は、化粧品の「おしろい」の原料としても良く知られている。この主成分に、ごくわずかの成分を加えて、混合し、プレス成形して焼結する。ここまでのつくりかたは、いわゆる陶磁器と基本的には同じである。そして、電極として銀ペーストを焼き付けて、リード線を取り付け、周囲を樹脂で被覆して製品としてできあがる。

 

詳しい製法は、いろいろな文献や特許にあるので、ここでは触れないが、焼結後に炉から取り出すとき、そして電極を取り付けて、電気的な性質を測定評価するときは、いちばん緊張が高まるときである。設計どおりのものが得られたときはうれしいが、期待はずれのときもあった。おもいがけない珍しい現象に出くわしたときもあった。

 

「バリスタ」は、私にとって、製品開発のおもしろさ、楽しさと一方で厳しさを経験させていただいた最初の電子部品であった。二十年ほど前に携わったセラミック電子部品が、いまでもあるメーカーで作り続けられ立派に機能していることは、うれしさ以外のなにものでもない。

 

このようなおもしろさは、実際に足を運んでみないとわからないかもしれない。

 

展示会では、通信・電話やコンピュータ関係の展示が多くあった。また機会を見て載せたいとおもっている。

 

展示会では、このような光景も多く見られた.....。

 

(2009-11-18)

 

 

  • 体験
スウィングガールズと長井線

山形県の南部、最上川の流域は、豊かな田園地帯であり、冬の積雪もそんなに多くはない。いまから、三十年くらい前のことであるが、私は仕事の関係で、長井というこの地を訪れる機会が何回かあった。当時は、新幹線も開通しておらず、上野駅から特急列車に乗って、福島経由で、赤湯まで行き、そこで長井線に乗り換えたものであった。

 

長井には、かつてT社の子会社だったM社があり、そこの方々にはたいへんにお世話になったものである。仕事が終わると、あちこちを案内していただいた。なかでも、最も印象に残っているうちのひとつが、最上川の河原での芋煮会(いもにかい)である。食材もさることながら、人々の素朴さがまた良い。

 

山形の、もっと端的にいえば長井の方言は、独特な親しみ深い味わいがあり、私の生まれ故郷の新潟の方言とはちょっと異なるが、親しみやすい心地よい響きのものであった。河原でのたわいのない会話で盛り上がるのは楽しいものだとおもったものであった。

 

ところで何年か前に、「スウィングガールズ」という映画が公開された。東北の片田舎、夏休み返上で補習授業を受けている女子高生たちが、サボリをするための口実として、ビッグバンドを始める。最初はやる気がなかったが、楽器で音が出せるようになってから、だんだんとジャズの魅力に引き込まれていく。そして、ついに本気でバンドを結成、というストーリーである。

 

この映画に出てくる田園風景は、私が三十年ほど前に見た、あの最上川の周辺の風景であり、とても懐かしさを覚えたものである。この映画のロケ地は、長井の近く、最上川の近くであったと思われる。長井線も、民営化されてからは、山形鉄道フラワー長井線と、その名称が変わった。電車も二両編成(あるいは三両編成だったか)のコンパクトできれいな車体となり、たしか、この映画にも登場していたのではなかろうか。

 

昔に見たあの風景と人情の遠い記憶が、この映画を見たとき、再び想い起こされて、懐かしさにかわったひとときであった。

 

もちろん、このスウィングガールズという映画も、楽しいものであった。なにより、ジャズというジャンルの音楽が新鮮であった。また、竹中直人の演技もすばらしい。印象に残る作品である。

 

(2009-10-17)

 

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