ぶな林と「ふるさと」

先日の読売新聞(2008年9月13日)に、トレッキングルート「信越トレイル」が開通したという記事がでていた。

 

新潟県と長野県の県境にある関田山脈の稜線を、斑尾山から牧峠を経て天水山に抜ける全長80kmのコースだそうである。標高1000メートル前後の稜線づたいに、いくつもの峠を通過する。掲載された写真には、ぶな林の中を山歩きする人々の楽しそうな姿が紹介されていた。

 

ぶな林には、想い出がある。ちょうどこのコースの途中に、関田峠がある。その新潟県側では、冬にたいへんたくさんの雪が積もる。6メートルにも達することがあると聞いたことがある。

 

私がこどものころ、小学校の遠足でこの関田峠の近くのぶな林に行ったことがある。水源地が、林の中にあり、冷たい水が湧き出ている。指を入れるととても冷たい、こごえそうな感触をはっきりと覚えている。

 

そんなふるさとのぶな林を想いだしてしまった。

 

いま、関田峠を少し下ったところは、牧場として開拓され、光が原高原として知られている。「浅間山荘」事件を扱った映画のロケ地でもある。そこからは、日本海が、また天候にもよるが佐渡が見える。眺めは最高である。冬は雪のため、閉鎖されてしまうが、夏は多くの人々が訪れる。

 

ぶな林の中に、キャンプ場やロッジがあり、自然の豊かさを実感できるのだ。私もなかなかいけないが、ぜひ一度、見て足を運んでほしい場所である。

 

関田峠の付近より、光が原高原、遠く日本海を望む。近くにはぶなの木が見える。(このあたりも冬は雪に閉ざされる。)

 

(2008-9-23)