- 投稿 2020/01/18更新 2020/01/24
- PC・ネットワーク
ある日のこと、このサイトの問い合わせ欄に届いたひとつの依頼、それは、「データ復元ソフトを試していただけませんか?」というものでした。
ふだん、パソコンで写真の整理をしたり、文章や表を作成したり、という時に誤ってファイルを削除してしまった場合、役立つかも、というもの。
その製品のサイトを見ると、Windows用とMac用がありました。(残念ながらLinux用はありませんでした。)
MACの場合はよく知らないのですが、Windowsは、ひとまず削除してもそのファイルは「ごみ箱」に入るので、当初あまり有用性は感じませんでした。
しかし、間違って「ごみ箱」を空にしてしまったらどうなるだろうか、と考えて、ひとまずこのソフトを試してみることにしました。
これは、そのときの試用メモになります。
1. 無料版のデータ復元ソフト
このデータ復元ソフトは、イーザスソフトウェアから提供されている「EaseUS Data Recovery Wizard」というもので、無料版がサイトにありました。
https://jp.easeus.com/data-recovery-software/drw-free.html
無料版の制限は「最大2GBまでデータ復元可能」とあるのですが、実際にはファイルサイズの合計が500MBまでらしいです。( 後述の追記のように、SNSでシェアすると2GBまで可能なようです。)
ただし、よほど大量のファイルや大きなサイズのファイルでなければ、試すことはできるだろうと思い、手元にあった以前使用していて今は使っていないUSBメモリで、このソフトの無料版を使って、試してみることとしました。
結論からいうと、無料版でもある程度は使えます。使い方も簡単でした。
ただ、復元の候補のファイルリストは表示されるのですが、実際に復元できるファイルは500MBまででした。
また、削除してから時間の経過したファイルは、リストに出てこない場合があるようでした。
以下に、試した手順を追って記述していきます。
2. 試してみた環境
使用した環境は、
・PC: Dynabook Satelite PB552FEA127A51 (Toshiba)
・CPU: Core i5 (Intel) 、実装メモリ: 10GB
・OS: Windows10 ver.1909、 64-bit
です。
ソフトのインストールは、
https://jp.easeus.com/data-recovery-software/drw-free.html
から、「無料版」(Free)を選択して、普通にインストールしました。
3. 事例 1 ( 16MBのUSBメモリ )
最初に試したのは、16MBのUSBメモリです。以前(もう十年以上前)になにかソフトが入っていたのを削除して空の状態にしてあったのを思い出し、どの程度復元できるかを見ようとしました。
復元した結果は、ファイルが見つからない、ということでした。
そこで、このUSBメモリに音楽ファイルを2個コピーし、エクスプローラでファイルの存在を確認してから、また削除しました。
そして、このデータ復元ソフトで、どの程度復元できるかを試してみました。
復元した結果は、当初のファイルサイズの約2倍のサイズになりますが、復元の候補のファイルが表示されました。ただ、これをリカバリーするのに、同じ媒体(USBメモリ)にはできないようなので、パソコン本体のデスクトップ領域にリカバリーファイルを置くこととしました。
リカバリーを起動させるとほんの数秒で修了しました。
得られたファイル名はかなり違っていました(後述)が、きちんと復元できました。音楽ファイルなので実際に動作させてみるとちゃんと音が出ました。
ファイル名は、そのファイル名の中に空白が混ざっていると、その前後でフォルダ名とファイル名というように認識されるらしく、余計なフォルダができてしまいました。ファイル名に空白を含まないようにすれば、この問題は回避できると思われます。
4. 事例 2 ( 4GBのUSBメモリ )
次に、4GBのUSBメモリで試してみました。このUSBメモリも以前、データを入れていたのを全て削除して空の状態にして保管していたものです。
エクスプローラでファイルが存在しないことを確認してから、このデータ復元ソフトで、どの程度復元できるかを試してみました。
結果は、忘れていたいろいろなファイルが出てきました。
4GBのUSBメモリですが、表示された復元候補ファイルのサイズの合計は約8GBでした。
おそらく二重に表示されているとおもわれました。
次に、やはりパソコン本体のデスクトップ領域にリカバリーファイルを置くこととしいくつかのファイル(全部ではありませんが)にチェックを入れ、リカバリーを試みました。
すると、途中で停止してしまいました。画面には、アップグレードを推奨する表示があらわれたのです。
デスクトップ領域の復元されたファイルを見ると、合計で480MBとなっており、そのファイル自体はきちんと開くことができました。
途中停止した理由は、無料版ではファイルサイズの合計が500MBまでという制限があるためと理解しました。( ただし、後述の追記のように、SNSでシェアすると2GBまで可能なようです。)
5. まとめ
ここで、今回のお試しの要点をまとめると、
1. Windows版、Mac版はあるが、Linux版はない。
2. Windows版の無料版を試用。500MBまでのファイルの復元には使える。
3. ファイル名には空白を含めないようにして保存しておくのが良い。
4. 削除してからあまりに時間が経過したものは復元ができない場合がある。
5. 復元したファイルの置き場として、パソコン本体のデスクトップ領域を使用するので、本体のハードディスク容量は大きいほうが良い。
6. 復元されるファイルのサイズは、予想の約2倍のサイズに表示される。つまり、同じファイルが複数できるようである。
他の同種のソフトもあるようですが、実際に使ったことがないので、比較などはできないことをご理解下さい。
「EaseUS Data Recovery Wizard」についていえば、特に困った問題は発生しませんでした。
もしも、500MB以上のファイルを復元しなければならないときは、ライセンスを購入するということになるでしょう。
ただ、Windowsをお使いであれば、無料版はとりあえずインストールしておいて、万が一のときに備えるというのが良いとおもいます。
(2020-1-18)
6. 追 記
以上が実際にやってみた結果ですが、いろいろ調べてみると、どうも、「無料版の復元サイズ(2GB)については、最初では確かに500MBですが、SNSシェアすると、1.5GBが追加される。合計2GBとなる。」ということのようでした。
ただ、この情報は、探しましたが、上記のサイトではexplicitには記述されていませんでした。
そこで、「EaseUS Data Recovery Wizard」を動作させた状態で、いろいろマウスのカーソルを動かしていると、こんな表示が、突然あらわれたのです。
試してみる価値はありそうです。
(2020-1-24)